財政金融委員会・第4号
【質疑事項】
議題 「破たん金融機関の処理に関する報告」の件
1.整理回収機構(RCC)業務内容で特に企業再生機能の強化姿勢について
2.足利銀行の取引先企業の再生について
3.金融庁の検査姿勢について
4.存続支店の配置について
○西田まこと君 公明党の西田実仁でございます。
足利銀行についてお伺いしたいと思っておりまして、埼玉県、私、選出でございますけれども、埼玉県の特に県北地域におきましては実はあの足利銀行をメーン バンクといたしております中小企業が数多く存在しておりまして、とりわけ埼玉には昔からの地方銀行があるわけですけれども、そうしたところとなかなかお付 き合いいただけない、ある意味では、県内では新興企業、成長著しい企業につきましては、歴史をさかのぼりますと、こうした足利銀行をメーンとする、そうい う意味では県外、その足利銀行の本店とは違う地域ではございますけれども、かなりお付き合いが多うございまして、大変に今回の破綻によって大きな、地域経 済に対する影響というのが非常に大きくなってきております。
そこで、1つお聞きしたいのは、先ほど委員、民主党の委員さんからもお話ございまし たけれども、そもそもこの足利銀行につきましては98年の3月に公的資金が注入されていると。そして、破綻するまでの間に検査がまず入ったのは健全行と同 じ3回であったという事実があるわけでございますけれども。私は、今日の御質問はその地場の中小企業という立場からちょっと御質問をさせていただきたいと 思っているものですから、足利銀行をメーンバンクとする中小企業からしますと、急にいろんな基準が変わって、それまで健全にキャッシュフローも出て、また その償却年数等も銀行との合意で返済をしていたにもかかわらず、急に破綻ということになって、償却年数を短くさせられたりして、大変に困っているという企 業が実は多いわけでありますけれども。
そして、その98年3月にこの公的資金が注入されたときの地元ではどうだったかと申しますと、足利銀行を メーンバンクとするところのお話をお聞きしますと、当時、何かじゃその後公的資金が注入されることによって取引に変化があったのかといいますと、実際に何 が起きているかというと、いわゆる銀行にとっても企業にとってもお互いにその利害が一致するところは、このランクダウンを防ぐという、追い貸し等をして、 そして正常化債権にある意味では見せ掛けるというところが銀行にとってもまた中小企業にとってもお互いに利害が一致して良かったということで、結局そうし たある意味で工作というか、公的資金が入った後に正常化債権に見せ掛けるための追い貸し等がずっと行われ、このままいくんだろうなと思っていたら急に破綻 になって、大変なことになっているというのが実際のところでありますし。
同時に、この足銀をメーンとする中小企業の方々に、今のこの地銀におけ る、足銀をメーンとしながらも、第2位、第3位でほかの地銀さん、また信用金庫等と付き合っているわけですけれども、そうした地銀さんもかつての、ちょっ と前の足銀さんと同じようなことを今やっていると。つまり、正常化債権に見せ掛けるための追い貸し等をやっていてという、ちょっと前の足銀を見るような地 銀が非常にまだまだ多いという、そういう話もお聞きしているわけでありまして。
私が御質問させていただきたい趣旨は、地元の中小企業にとっては 銀行というのは大変に大きな存在でもあり、そして今までの取引をずっとやってきて、長くそのメーンバンクとしてお付き合いをしていた銀行が急にもう変わる という、余りにも激変の中で中小企業がそれに対応できないというところに大変に問題があると思っております。
そういう意味でいきますと、この公的資金が98年3月に注入されて以降、いわゆるその検査が健全行と同じ3回しか足銀に対して行われていないと、このことについて、その真意というか、その経過をお聞かせ願えればと思います。
○政府参考人(西原政雄君) お答えさせていただきます。
98年に足利銀行に公的資金入れてからこの間に3回しかしていない、確かに調べましたところ3回入ってございます。この間でございますけれども、先ほど来 大臣からもお答えさせていただいておりますけれども、金融検査の実施に当たりましては、どうしても我々限られた人員、組織の中でやっていかなきゃいけない ということがございまして、一方でたくさんの銀行があると。先ほどシティの話も出ておりましたが、いろんな銀行ある中で、そのローテーションを組んでやら なきゃいけないということがございまして、そういった中で我々としても必死にその対象の選定を行っているという状況にございます。
〔委員長退席、理事平野達男君着席〕
地域銀行について見ますと、この検査周期というのは平均で2年6ヶ月程度という状況にございますけれども、昨年9月に実施しました足利銀行、この場合には前回検査との間は約2年3ヶ月と、若干短い期間でございます。
しかしながら、それは検査だけで金融監督をやっているのかというと、決してそうではございませんで、実際のところは、いわゆる検査というのは、いわゆる 我々オンサイトモニタリングと言っておりますが、オフサイトにおいてもモニタリングをやっているということでございまして、実際上は、オフサイトの関係で いえば、この間、14回にわたる報告徴求をして現状を、状況の改善に努めさせている、その間に1回の業務改善命令も打っているというような、そういったい ろんな、オフサイト、オンサイト、両方相まってこれに対応してきたという状況にございます。
○西田まこと君 同時に、事情は分かりましたけれども、感想としては、なぜそこまでやっても再生できなかったのかというか、銀行が破綻しちゃったのかと非常に残念なわけで、多大な影響を中小企業に与えているということをあえて申し上げたいと思いますけれども。
大臣としましては、今、ちょっとお話、長い間で申し上げて恐縮でございましたけれども、今現実に、地銀、地方銀行、第二地銀にしても、結局ちょっと前の足 銀のようなことをしているという、こういう地元の中小企業の経営者何人かにヒアリングしましたところ、そういう声が聞こえてくるわけでございますけれど も、こういう実態につきましてはどのように感想を持たれますでしょうか。
○国務大臣(伊藤達也君) 今委員から現場からの声に基づく御指摘があったわけでありますけれども、そうであってはやっぱり地域の金融機関としての信頼というものがしっかり確立することはできないんだろうというふうに思います。
〔理事平野達男君退席、委員長着席〕
地域の金融機関として健全性を確保していくことは言うまでもないわけでありますが、一番重要なことは、やはり地域にどうやって貢献をしていくのか、あるい は中小企業の再生や中小企業の発展のためにどのように金融機能というものを強化をし、そしてニーズに応じた金融サービスというものを提供していくことがで きるのかどうか、そのことが今地域の金融機関、中小の金融機関に私は問われているんだというふうに思っております。
そうした認識からも、私ども としましては、リレーションシップバンキングに関するアクションプログラム、これに基づいて各地域の金融機関が様々な施策を展開をしていただいているとい うふうに考えておりますので、この施策をしっかり取り組んでいただいて、そして利用者の方々から高い評価が得られるような、そういう金融機関としての経営 改革というものを強力に進めていただくことができればと考えているところでございます。
○西田まこと君 次に、RCCの企業再生業務につきましてお聞きしたいと思います。
と申しますのも、大変に中小企業にとって、特に足銀をメーンとしたところにとりましては、こうしたRCCのいわゆる企業再生第二部の業務でございますけれ ども、この再生に関して大変に大きな期待をしているというところで、まず大臣にお聞きしたいのは、このRCCの企業再生業務の法令上、また、若しくは政府 の政策上、このいわゆる企業再生第2部の業務というものはどのように位置付けられているのかについてお聞きしたいと思います。
○国務大臣 (伊藤達也君) 先生御承知のとおり、RCCにつきましては、平成13年の6月のいわゆる骨太方針、これを受けて企業再生本部というものを設置をして、そ して再生マインドというものを持って中小企業の再生に積極的に取り組んできていると、このように承知をいたしております。
さらに、平成14年の 10月の金融再生プログラムにおいても、この再生機能を強化をしていく、そういうことを要請をしたわけでありますが、これを踏まえて、RCCにおいては、 人員の増強でありますとか、あるいは体制の整備、企業再生機能の強化策を講じて、そして、その結果として本年9月に至るまで284件の企業再生を実施をし ているというふうに聞いております。
また、RCCにおいては、中小・地域金融機関向けに、RCCの信託機能というものがありますけれども、これ を活用した再生スキームについての説明会を今開催をいたしております。本年9月末までに地域金融機関を含む30行と業務委託契約を締結するなど、中小企業 の再生に向けた取組が強化されているというふうに考えております。
私ども、金融庁といたしましても、今後ともRCCが、人材の育成の強化を含む企業再生機能の強化を通じて、中小企業を含む再生可能性のある債務者の再生に努めていただけるよう促してまいりたいというふうに思います。
○ 西田まこと君 このRCCの立場ですけれども、ちょっとよく理解できていないんですけれども、いわゆる一民間サービサーとしての仕事、株式会社はもちろん 株式会社なんですけれども、一民間サービサーとしてそうした企業再生に取り組むのか。もう一方は、いろんな雑誌等にも再生第2部長の方が書かれていますけ れども、中立公平な立場で行っていくと。
実態的には、その地元の中小企業が期待していることは、やはりこのRCCは特別な存在であり、一民間の 株式会社あるいは一民間サービサーに金融機関あるいは債権者との調整を託しているということよりも、もうちょっと非常に期待が大きいわけでございますけれ ども、このRCCのその基本的な、調整役としてのRCCの立場についてお聞きしたいと思います。
○国務大臣(伊藤達也君) RCCは、先 生御承知のとおり、債権回収に当たってはこれは国民負担というものを最小限に抑えていく、そのことが基本になるわけでありますけれども、企業再生の問題に ついては、再生可能性について十分検討し、そしてRCCも、先ほどお話をさせていただいたように、再生マインドというものを持って再生可能性があればその 可能性というものを追求をしていく、そのための様々な努力を今なされているというふうに考えております。
再生については極めてニーズの高いもの であります。破綻懸念先という非常に難しい案件を多く扱うRCCでございますけれども、その中においても企業再生の可能性というものを追求をして、1つで も多くの再生の実績というものを上げていただけるように、これからもRCCにおける努力というものがなされていくことを私どもも期待をしていきたいという ふうに考えております。
○西田まこと君 そこでお聞きしたいんですけれども、この再生の手順でございますけれども、これは経営者をいかに 説得するかというところから始まりまして、デューデリをいわゆる行っていくわけですけれども、私はこれはどうしたらいいのか知恵を働かさなきゃいけないと 思いますけれども、いわゆる今、足銀関係でいきますと、今後とも融資を続けていく、取引を続けていく適と不適というものを非常に分けて、債務者区分の区分 けが今始まっていまして、その線引き上に皆いて、実は中小企業大変に呻吟をしているというのが今の実態でございます。
そこで、例えばRCCにそ の再生をしてもらえるかどうかという、再生可能な債務者か否かということを判別するときに、このデューデリは当然必要になってきます。しかしながら、そう いう再生可能かどうかという線引き上にいる中小企業にとっては大変にそのキャッシュフローというのはそんな楽ではないということはもう間違いない。だから こそ線引き上にあるわけですけれども。
ただ、まずRCCが再生可能かどうかを判断するに、RCC自体が何か判断するというよりも、まず第三者のいわゆる会計デューデリ、あるいは事業デューデリというものを行って、その上でRCCがやるかどうかを決めるというのが実際に起きていることですね。
そのときに、まず心配というか、中小企業にとっては、デューデリ費用というのはまず1千万とか、あるいは1千数百万というのが常識的に掛かってまいりまし て、こうしたキャッシュフロー捻出が大変に難しい、大変に、そういう線引き上にいるからこそ大変な額になってくるということがまず一つ。これについてはど うファイナンスしていくのか、あるいは今は別にファイナンスできないところはもうそもそもそんなことを、再生を考えちゃいけないのかという疑問が素朴にわ いてまいります。
そしてもう1つ、ちょっとこれは別ですけれども、じゃいざRCCがやりましょうとなったときに、この着手金というものが数百万 円掛かって、RCCから要求をされる。そして、ちょっとこの概念が分かりませんけれども、成功報酬というので千数百万円やはり要求をされると。結局こうし ますと、全部合わせるともう3千万円とかあるいは4千万円というお金がキャッシュとして必要になってくる。これはどうなんでしょうか、その線引き上にいて 大変に日々の資金繰りにも困っているような中小企業をいかに再生していくのかという、こうした国策からしまして、この費用はやはりそのぐらい見れなけれ ば、もうそんな企業は再生する必要はないのかというふうに言うのか、それとも、そうした企業も再生可能の線引き上にいて何とか再生していこうということで あれば、そうしたデューデリ費用等についてもファイナンス、何らかの形で考えていくというところに知恵を働かせるべきなのかどうか、これについてちょっと 御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(伊藤達也君) RCCにおける再生に掛かる費用について私から今具体的にお話をさせていた だくということはなかなかできないことについては御理解をいただきたいというふうに思いますけれども、今お話がございましたように、再生をしていくために はしっかり資産査定をして、そして実現可能性の高い再建計画というものを作って、それを着実に実施していくことが必要であります。
多くの中小企 業が大変心配しているのは、本業はしっかりしているんだと、しかしバブル崩壊後に本業と違う投資をしてしまって、それが失敗してしまったと、それが大きな 足かせとなってなかなか再生することができない、しかし本業は本当に一生懸命やっているんだ、そこを見てほしいと、事業のキャッシュフローもしっかりある んだと、そのことを評価をして私たちのこれからの企業の在り方というものを是非考えてもらえないか、こういう声は非常に強いんではないかというふうに思っ ております。
RCCにおいても、そうした点をしっかり評価をして、そして再生可能性というものを見極めて、私は再生に向けての様々な努力がなさ れているんではないかというふうに考えております。その中の現実的な課題として、それをどう乗り越えていくかということについては、これはRCCの中でも 今様々な観点から検討されているというふうに思っておりますので、私どもといたしましては、できるだけRCCの持つ再生機能というものを遺憾なく発揮をし ていただいて、そして1つでも多くの中小企業の再生を実現をしていただきたいというふうに考えているところでございます。
○西田まこと君 せっかく来ていただきました預金保険機構の理事長の方から、今のお話、いわゆる外部監査費用、デューデリ費用等について何らかのファイナンスを付ける必要があるかどうか、検討する意味があるのかどうか、これについてちょっとお答えいただけますか。
○参考人(永田俊一君) お答え申し上げます。
ただいま御指摘の点でございますが、御案内のとおり、先ほど大臣の方からもお答えの中にありましたように、RCCがやっております対象は主に破綻懸念先以 下というようなところで、これを何とかして再生させようという、可能性のあるものは再生させようということでやっております。
先ほど民間サービ サーなのか公的サービサーなのかというお話もありましたが、正に公的サービサーとして、可能な限り、当然コスト的にも負担の掛からないようにということで は努力はしておりますが、御案内のとおり、これは相当事務量とか経費の掛かることでもありますので、その辺は適切に勘案してやっているというふうに私ども は考えておるんでありますが。
○西田まこと君 是非、適切にやっていただいていると思いますけれども、数千万円近く掛かるという御認識は 多分もちろんお持ちだと思いますので、その辺、今まで普通に足銀と付き合っていたときには決して破綻懸念先でも何でもない企業が急に破綻懸念先に追い込ま れようとしているという、そこを何とか再生していくということが地域の経済にとって大変重要だというふうに思っておりますので、今申し上げた点も検討いた だければと思います。
時間ももうございませんので、今大臣の方からお話ありましたけれども、その様々な理由で債務が過多になっている中小企業が 多い、ございますけれども、特に、これはちょっと実務的な話で恐縮でございますけれども、メーンバンクの貸手責任ということでございますが、これはよくど こでも行われていることでありますけれども、特に地方に行けば行くほどメーンバンクとの付き合いというのは非常に長く、また深くなっておりまして、足銀さ んでも増資を引き受けた中小企業が結構私の知り合いでも随分多うございまして、それはそれで今司法の場でいろんな損害賠償やっていますので、それはそれと して。
例えば、メーンバンクから、長く付き合っているメーンバンクから、その優越的な地位というか、を利用して、例えば不動産、保全した不動産 について買ってもらえないかと、あるいはゴルフ会員権を買ってもらえないかと、当然もうファイナンスは付けますよと、こういう取引というか、実態的にはも うよく行われていることでありまして、中小企業の経営者からいたしますと、そのメーンバンクに言われてそれは断るわけにいかないと、それによって本業とは 直接関係のない例えば不動産を買い、それが不良債権化していくという問題があるというふうに認識しております。
こうしたある意味でのメーンバンクの貸手責任があるものにつきましては、その債務のカットの中に優先的、優先的にというか、入れていくべきではないかというふうに私は思いますけれども、その点、いかがでございましょうか。
○ 国務大臣(伊藤達也君) この点については一般論としてお答えをさせていただきたいと思いますけれども、融資に関する個別具体的な取引について、仮に銀行 の行為に重大な問題があるとして債務者による訴訟が提起され、裁判手続において当該銀行の不法行為、これが認定をされ、不法行為に基づく損害賠償請求権の 存在が認められた場合には、その請求権は全債務保護の範疇に入ってくるものと考えております。
○西田まこと君 もう時間もないんで最後の 質問をしますけれども、受皿金融機関につきまして、まず預金保険法102条第3号におきましては、受皿機関への営業譲渡などによって特別危機管理銀行が終 了するまでの期間には制限がないということになっておりまして、いつ、要するにいつ受皿銀行というのは決まるのかというのが別に特段何も記されていない と。先般、足銀さんの3年計画等が発表されたわけですけれども、3ヶ年計画が発表されたわけでありますけれども、これはいつ受皿銀行が決まるかということ が大変に中小企業にとっては大きな意味を成しているわけでありまして、これについては特に何年というのは決められていないということでよろしいんでしょう か。
○国務大臣(伊藤達也君) 足利銀行においては、本年6月に策定をされた経営に関する計画に沿って経営改革を進めるとともに、債務者 企業の再生に積極的に取り組むこと等によって企業価値の向上に努めているところでございますが、現時点においてその受皿の選定についての具体的な検討を行 う段階にはなく、受皿の選定時期について確たることを申し上げることは困難であるというふうに考えております。
○西田まこと君 これも現 場からでは、例えばどこが受皿金融機関になるのかもちろん分からないわけで、いろいろな交渉があるんでしょうけれども、仮に埼玉県内に店舗のない金融機関 に受け継がれた場合どうなのかという非常に実務的な問題でございまして、それは別に足銀さんが今まで持っていた支店をそのまま使えばいいんじゃないかとい うこともあろうかと思いますけれども、これにつきましては、1つは、受皿金融機関に営業譲渡された場合に、これまでの店舗網に対する一定の配慮というもの がなされるべきなのかどうか。これは一点です。
もう1つは、これはちょっと違う種類の話なんですが、ペイオフが解禁をされて、来年4月に全面解 禁になったときに、この特別危機管理銀行である足利銀行につきましては全額預金が保護されるということでありますけれども、このペイオフ全面解禁というこ とと足銀に関しては例外であるということによって金融システムそのものに何かゆがみ等もたらす懸念はないのか、それに対してどう対処するのか。
ちょっと違う種類の質問で恐縮ですけれども、最後に2つお聞きしたいと思います。
○国務大臣(伊藤達也君) 一般論としてのお答えでお許しをいただきたいと思いますけれども、受皿については今回なぜ3号処置を講じたかということを十分踏まえた対応をしていかなければいけないというふうに思っております。
3号処置を講じた趣旨というのは、栃木県を中心とする地域において同行が果たしている金融機能の維持が必要不可欠であることなどを総合的に勘案して、当該 地域の信用秩序の維持に極めて重大な支障が生じることを回避する、こうした観点があったからであります。こうした観点を踏まえて、私どもとしては、公的コ ストの極小化など、様々な見地から受皿については検討を進めていくべきものと考えております。
後段の質問についてでございますけれども、これは 法の趣旨からすると、やはり受皿に渡していくと、これをできるだけ早く行っていくというのは法の要請ではないかというふうに思っております。そうした中 で、先ほどお話をさせていただいたように、今足利銀行においては、経営に関する計画に沿って経営の改善とともに債務者企業の再生に積極的に取り組みながら 企業価値の向上に取り組んでいるわけでありますので、こうした成果というものをしっかり出して、そして受皿の議論の段階に進んでいかなければいけないとい うふうに思っております。
○西田まこと君 正に3号措置が取られた背景を御説明いただきましたけれども、最後に一言だけ申し上げたいの は、正に栃木県を中心とはしますけれども、埼玉県のこの県北地域も大変に影響が大きいと。これに対して、大変に、どちらかというと、栃木、栃木というと温 泉とかいろいろ言われていますけれども、埼玉の県北地域においてもかなりの需要を占めているということを最後一言申し上げて、特段の御配慮いただきますよ うよろしくお願い申し上げたい。これで終わります。