184閉-参-災害対策特別委員会-001号 2013年10月09日
○理事(西田実仁君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。
横山委員長から委員長辞任の申出がございましたので、私が暫時委員長の職務を行います。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、前田武志君、福山哲郎君、藤末健三君及び難波奨二君が委員を辞任され、その補欠として牧山ひろえ君、吉川沙織君、野田国義君及び浜野喜史君が選任されました。
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○理事(西田実仁君) 委員長の辞任の件についてお諮りいたします。
横山委員長から、文書をもって、都合により委員長を辞任したい旨の申出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(西田実仁君) 御異議ないと認めます。よって、辞任を許可することに決定いたしました。
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○理事(西田実仁君) この際、委員の異動について御報告いたします。
本日、横山信一君が委員を辞任され、その補欠として竹谷とし子君が選任されました。
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○理事(西田実仁君) これより委員長の補欠選任を行います。
つきましては、選任の方法はいかがいたしましょうか。
○那谷屋正義君 私は、委員長に竹谷とし子君を推薦することの動議を提出いたします。
○理事(西田実仁君) ただいまの那谷屋君の動議に御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(西田実仁君) 御異議ないと認めます。よって、委員長に竹谷とし子君が選任されました。(拍手)
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〔竹谷とし子君委員長席に着く〕
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
九月十日の日に、私も現地、埼玉の越谷の方に行かせていただきました。竜巻被害に遭って間もないころでございまして、高橋市長を始め受け入れてくださいました皆様方には心から感謝を申し上げさせていただきたいと思います。
その六日後の九月の十六日には、先ほども話がございました埼玉県の熊谷市、また行田市等を竜巻が襲いまして、私も十六日朝すぐに現場に参ったわけでございますが、その被害たるや大変に言葉を失うほどの惨状でございまして、竜巻というものがどれほどのすさまじい力を持っているのかということを改めて認識した次第でございます。
先ほど那谷屋先生からも御指摘がございました。私も被災者生活再建支援法の在り方につきましてお話をさせていただきたいと思います。
越谷、そして千葉野田、あるいは茨城の坂東市という話がございましたが、実は先ほど抜けていた町が一つございまして、埼玉にとっては大事でございまして、越谷の隣に松伏町というのがありまして、この松伏町も同じように被害に遭っております。すぐ隣であります。隣というか、もう地続き、当然、地続きでありますので。越谷の方は生活支援法の対象になり、松伏の方は全壊が一ということで対象にならないという。
同じ竜巻が、通ったところしか被害にならないわけですよね。多少の面ですけれども、基本的には線の被害というか、その通ったところだけ大変にひどい状況になっている。その竜巻は当然、行政区など知らないわけでございまして、越谷だけは行こうとか、そういう話じゃありません。まさに通ったところ、通り道のところのみが大変な被害に遭っているということからいたしますと、やはりこの被災者生活再建支援法の在り方を考えねばならないというふうに私も大変強く思うわけでございます。
なぜならば、この支援法の適用基準というのは、どうしても行政区ごとの被害件数というものに基づいているから。この問題は、もう以前からも指摘されてございました。昨年の、政権は異なりますけれども、三月には中間整理がなされまして、この支援制度につきましては災害規模要件の撤廃についての論点整理がなされました。また、昨年、茨城のつくば市などを襲った竜巻被害に関しましても同様の問題が提起をされまして、当時の内閣府副大臣が同法の適用基準見直しを表明し、事務局に指示した結果、昨年八月十五日に報告書が、まさに局長級会議の報告書が出されまして、被災者の公平性が確保されるよう、被災者生活再建支援法の在り方について早急に検討と、このように整理がなされて一年たったわけでございます。
そして、今回また竜巻が起きました。これからも残念ながら起きると思われます。そういうことを考えますと、この竜巻という、これまでの地震とは異なる自然災害に対して、被災者の方々はどうその生活を再建していくのかということについて改めてよく考えなければならないというふうに私も思っております。
先ほど大臣からお話がございましたのは、今年末までにこの竜巻等突風対策局長会議で議論したことを取りまとめるというお話がございました。ここには、やはり今申し上げた被災者生活再建支援法による支援の在り方、こういうことも、昨年、政権は違いますけれども、政府において整理されたことも踏まえて、それも含めて議論がなされると、こう考えてよろしいんでしょうか。
○国務大臣(古屋圭司君) まず、委員御指摘の支援法に関して、昨年八月に報告書出ています。今年六月にまず認定基準について若干の手直しをしています。例えば、屋根の構成比を一〇%から一五%に上げる等々の取組はまずはさせていただいております。
その上に、今二つの検討会議ができました。一つは、亀岡政務官が座長、私が指示して座長になってもらって、竜巻関係ですね、これについては支援法の中身についても議論をしていくと、こういうことでありまして、もう一つは、今度、十月の一日から災害救助法が厚生労働省から我々内閣府の方に移管をされますので、そこでも有識者検討会を立ち上げさせていただきまして、スピード感を持ってこの議論をして、しっかりその中身を反映しながら適切な対応をしていこうと、こういう取組をしているところでございます。
いずれにいたしましても、やはり現場の地方公共団体の意見、それから被災者の立場に立った考え方等々、総合的に我々は対応して、より適切な中身になるように検討を進めていきたいと、こういうふうに思っております。
○西田実仁君 今大臣からお話がございましたものをもう少しちょっと詳細にお聞きしたいと思いますけれども、今のお話は、つまり竜巻という私が申し上げました地震とかとは異なる自然災害に対して被災された方々、まさにその通ったところだけが大変な被害に遭っている。これはもう行政区を問わないで同じ一連の竜巻なんですけれども、しかしそこに公平な支援がなかなか得られないという、こういう竜巻の特色ということを踏まえての私が申し上げた支援法、施行令等の見直し、こうしたことも議論の対象になっていくというふうに考えてよろしいんでしょうか。
○国務大臣(古屋圭司君) 今御指摘の点は竜巻の検討会議のことですよね。これはもう既に開いておりまして、やはり被災者支援の在り方ということも含めて検討させておりますので、そのほかにも、先ほども言いましたように予測情報、やはりこれ正確な予測をしっかり通知する必要がありますので、この点。それから、どうやって伝達をするかですね、災害情報を。それから、建物の軽減策をどうやったらこういう竜巻に対応できるのかということと同時に、被災者支援の在り方、こういったものをしっかりこの検討会議の中で議論をいただいてできるだけ早く結論を出していただくように、そしてしっかりそれを受け止めて、私も防災担当大臣として適切な対応をしていきたいというふうに思っています。
○西田実仁君 支援法の在り方も含めてというふうに私はとらえたわけでございますけれども、いずれにしても、激甚災害の指定などは、本激の場合ですけれども、地域を指定せずに指定をするという、そういう考え方も当然、被災に対する対応にはあるわけでありますので、そういうことも含めて是非御検討をお願いしたいと思いますし、私どももまた意見を申し上げていきたいと思っております。
もう一つの話題は、液状化対策事業についてでございます。
三月十一日以降、埼玉県の久喜市にございます南栗橋地域に液状化が起きました。これに対しましては、復興交付金事業として現在、地盤を強化していくための実証実験というのが行われております。ほぼ大体、これは地下水の水位を低下させることによって地盤を強化して、例えば首都直下地震のようなことが起きた場合でも二度と同じような液状化が起きないようにしようと、こういう復興交付金による事業が行われているわけでございます。液状化対策というのは、まさにそうした二度と起きないようにするのが液状化対策でありますので、そのための実証実験を今年度行い、二十七年度までに工事に着手をして、その以降、二十八年度以降、万が一そうした地震が起きた場合でも対策がなされると、液状化は起きないと、こういう仕組みになっているわけでございます。
しかし、このプロセスの過程では、当然、実証実験の中身を決めて、それから住民の同意を三分の二以上取って、そして工事に着手していくという、こういう段階を踏むわけでございまして、液状化対策事業として行っているその対策の完結は、住民の同意を得て、それが実際に始まるということが起きなければ対策というふうにはならないわけでございます。
その際、最大の問題は、地下水の水位を低下させるということですから、今取られている有効な工事というのは、簡単に言えば、地下水をポンプアップして、そして水位を低下させるという、こういう排水溝工法というものが有力というふうに私も聞いております。これは、したがって、その敷設をした後、ポンプアップを永久にしなければその土地は液状化が再び起きる可能性が高いということになります。そのポンプアップをするためのメンテナンス費用はどうするのかという問題が永久にそのコストとして発生をしていくわけでございます。住民の同意を取り付けるにも、当然、二十七年度工事終わった後のメンテナンス費用、あるいはポンプの電気代とか、そういうトータルな費用をどう個人負担していくのかということも含めて事業計画を立てて、同意を得なければなりません。
三分の二以上の同意がなければ、これは液状化対策として完結をしないわけでございまして、そこの費用をどう賄うのかということもよく考えなければ液状化対策にはならないというふうに私は思うわけであります。これにつきまして、住民同意が得やすいように、この個人負担の軽減ということも、地元埼玉のみならず、茨城県の潮来市あるいは神栖市、また千葉の浦安市始め連絡会議の首長の皆さんからも出てきております。
このことにつきまして、今日は谷復興担当副大臣にもお越しいただきました。是非、この液状化対策を完結させるためにも、二十七年度以降の個人負担の軽減ということについてどのように今お考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。
○副大臣(谷公一君) 委員御指摘の埼玉県久喜市の市街地液状化対策事業でございますが、御指摘のとおり、復興交付金のメニューの中で現在実証実験を開始していて、来年二月まで予定をしているところであります。その結果を踏まえて、市が設置している有識者会議に諮って、住民同意を得て最終的な工法を決定する、そのように伺っているところであります。
そもそも、この市街地液状化対策事業というのは、道路等の管理者である自治体、そして宅地所有者が費用をそれぞれ分担し合って事業を実施するというのが基本でございます。ただ、この久喜市の場合は、現在検討中の事業計画案では宅地部分での工事が発生しない、したがって工事費については住民負担を求めないものの、最終的には、委員御指摘のとおり、地下水を放流するポンプの維持管理費用が発生する、その費用について何らかの形で住民負担が発生するということもあり得るということでございますが、どういう負担額ということはまだ決定していない、市の方も分からないというふうにお聞きしているところであります。
したがいまして、復興庁といたしましては、国土交通省とも連携しながら、とにかくできる限りコスト縮減を含めた様々な久喜市への技術支援あるいは必要な情報提供を努めるということ、あわせて、直接的な住民の方々への国からの支援というのは制度上なかなか厳しいものがございますので、久喜市における維持管理費用の負担額にも、どれぐらいの負担を久喜市がすることになるのか、そういうことにも十分目配りしながら、今後、十分久喜市とも意見の疎通を図ってまいりたいと、そう考えているところであります。
○西田実仁君 今副大臣からお話がございました維持更新費のコストにつきましては、もちろん今実証実験中でありますが、地元の専門家の声によりますと、大体、ポンプ電気代、ポンプ費、定期メンテ費等と月五千円は掛かるんではないかと、つまり年間六万円ですね。これが一年、二年ではなくてずっと永久に掛かるというデメリットというのがこの工法にはあるということがほぼ住民の方は御案内でございます。したがって、これをどう負担していけるのかどうか、これがこれからの住民同意を得るには大変重要になってまいります。
今副大臣からお話がございました、個人あるいは法人の負担に直接充当するのは難しいという話は、復興交付金事業の効果促進事業におけます要綱に書かれているネガティブリストの一つをおっしゃっておられるんだろうと思います。これはまさに今お話しの、個人の負担に直接この復興交付金の中の三五%部分である効果促進事業は充てることはできない、あるいは専ら個人の資産を形成するための事業又は事務には充てることができないというこのネガティブリストに出ているわけでございます。
しかし、これは物は考えようでございまして、二つありますけれども、直接充当してはならないということでありますれば、例えば、こうした液状化対策を完結させるためには取崩し型の基金の形にしてこのメンテ費の一部を負担軽減させるとか、あるいは二つ目の専ら個人の資産形成に資してはいけないということであれば、これは当然、公共の道路の部分もこの排水溝工法によるポンプアップというものは効いてくるわけでございますから、これも専らというところはクリアできるんではないかというふうに、私はこの要綱を勝手に解釈しますと、可能になってくるんではないかというふうに思っているわけでございます。
そうしたことも含めまして、先ほど申し上げました埼玉の久喜市のみならず浦安や潮来あるいは神栖市の首長の皆様方が根本大臣のところに要望書を持っていかれた際に、大臣からは、この復興交付金につきまして、期間延長あるいは税制等の優遇制度も含めて必要性を見ながら柔軟に対応していきたいと、こういうようなお話も承ったというふうに聞いてございます。
したがって、大事なことは、液状化対策をきちっと住民同意を得て完結をさせていくということが大事であります。そして、また大きな地震が来たときに同じような被害に遭わないようにしていくということが何よりも大事なわけでありまして、そうした目的にかなうように、もちろんこの復興交付金を使うための厳しい基準というのはありますけれども、大臣がおっしゃるような柔軟に対応していくということも必要なのではないかというふうに私は考えております。
是非、谷副大臣のもう一歩踏み込んだ御発言を期待したいと思います。
○副大臣(谷公一君) ありがとうございます。
大臣の方の、復興交付金の期間延長なり柔軟な運用ということは大臣から常々指示を受けているところでございまして、全く私もそういう指示の下で様々な施策に取り組まさせていただいているところであります。
この久喜市の問題につきましては、委員御指摘のとおり、公共の負担と維持管理費についても、住民の負担のアロケはどうするのか、また、地方自治体が相当部分住民の方々に助成するということになれば、地方自治体に対する助成ということも様々な工夫、それは復興庁のみならず政府全体として総務省の特別交付税も含めてあろうかと思いますので、そういったものも幅広く勘案しながら、委員御指摘のように、大事なことはこの事業がしっかり完結するということだと思いますので、そういう原則を忘れずにしっかり対処してまいりたいと思います。
○西田実仁君 大変に前向きな御発言いただきまして、ありがとうございました。
以上で終わります。