189-参-財政金融委員会-014号 2015年05月28日
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
本日は、両参考人、大変お忙しい中、貴重な御意見をいただきましてありがとうございました。
まず、河合参考人にお聞きをしたいと思います。
いただきましたペーパーの二ページ目の四のところに、日本の選択、設立協定の精査と判断基準というところがございます。お時間の関係で、先ほど御説明余りなされなかったと思いますが、この一から五の判断基準が挙げられております。伊藤参考人からもお話がございましたように、理事会についてが、(3)になりますが、大変私も重要であるというふうに思っておりまして、常設の理事会になるのかどうかということでありますが、今のところはそうではない見通しという中にあって、仮に本部に常設されなくても理事会による拒否権というものが認められるかどうかという形のことについては、先生の判断基準としてはいかなるものになるのか、それをまずお聞きしたいと思います。
○参考人(河合正弘君) 今のところは常設されないということなんですけれども、といいますことは、各理事はそれぞれの首都で、インドネシアはジャカルタで、タイで理事が出ればバンコクで、それぞればらばらの場所にいて、そして、恐らくEメールですとかそういうことでコミュニケーションを取りながら意思決定をしていくことだろうと思います。
一番重要なことは、理事会の権限が、どこまで権限があるのか、それが非常に重要だと思うわけです。
私自身は、全ての融資案件まで審議にかける必要はないと思いますけれども、といいますのは、非常に規模の小さい融資というのもありますので。ですから、比較的大きな規模、そしてインパクトがあるような、少なくともそのような融資案件に関しましてはちゃんと理事会が決定できる、つまり総裁に権限が移譲されてしまっていないということが非常に重要なのではないかなというふうに思います。ですから、例えばこれは総裁に権限を移譲したいとか中国が提案したときに、それをどこまでブロックできるような仕組みになっているかということが重要かと思います。
今のところは、ヨーロッパと先進国が集まればぎりぎりブロックできるようなことには形の上ではなっていそうなんですけれども、本当にまとまることができるかどうか、例えばイギリスと韓国はちゃんとまとまれるのか、そこでもし日本が一〇%程度入っていればかなり大きなインパクトを持つことはできるだろうというふうには思います。
○西田実仁君 もう一つ、伊藤先生にお聞きしたいと思います。
先生のこのレジュメには、アメリカがイギリスを抑えられず経済外交力低下ということが書いてございます。経済外交という観点から、今回の一連の流れについて、日本、アメリカ、それぞれどう見ておられるのかということとともに、来月、六月六日には三年ぶりに日中の財務対話が再開をされますけれども、ここに期待すること、この二つを先生にお聞きしたいと思います。
○参考人(伊藤隆敏君) アメリカがイギリスを抑えられなかったというのは私の理解です。G7の間ではウエート・アンド・シー、どういうふうになるか見守ろうといったような話合いが持たれていたと仄聞しておりますので、その中で、イギリスが抜け駆け的に私は参加したいと突然言い出したということだと思います。そういう意味では、G7の結束が乱れたという認識でよろしいのではないかと思います。
経済外交というと広くなりますので、一般的な議論として議論するのはちょっと差し控えさせていただきたいと思います。このAIIBの一件だけについて、今言った私の理解です。
日中財務対話の再開ということは、非常に前向きによろしい展開であると。日本と中国がもちろん様々な対話をして、様々な案件について率直に意見交換して、協力できるところは協力していくということは当然望ましい展開ですので、それについて、これまで非常に冷え込んでいた関係が少しずつ前向きになっていくのは喜ばしいということだと思います。その日中財務対話の中でAIIBあるいはそれ以外のアジアの投資、発展について意見交換ができるのであればそれにこしたことはないというふうに思います。
○西田実仁君 終わります。