210-参-総務委員会-002号 2022年11月01日
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
早速質問をさせていただきたいと思います。
まず最初に、地域におけるいわゆるアピアランスケアについてでございます。
今日から十一月ですけども、昨日まで、十月はピンクリボン月間でございました。皆様御案内のとおり、このピンクリボン運動とは、乳がんの啓蒙運動であり、乳がんの早期発見、早期診断、そして早期治療の重要性を訴えていく運動でございます。
ピンクリボン月間ということもございまして、御要望がありましたのは、いわゆるバスタイムカバーへの理解と周知を広げてもらいたいということでございます。このバスタイムカバーとは、乳がんの手術の跡を隠し、そのまま温泉に入り、石けんで洗うことができる入浴肌着であります。このピンクリボン運動を進めておられる方々のホームページにも、このバスタイムカバーへの理解のための動画も閲覧できるようになっておりますし、また、ピンクリボン温泉ネットワークパートナーと称して、このバスタイムカバーが利用できるパートナーになっている施設での温泉宿泊券の提供なども行っておられるようであります。
平成二十三年、随分前ですけれども、厚労省、国交省、総務省でその公共性が認められ、温泉や銭湯などの公衆浴場を利用する際には、このバスタイムカバー、入浴着を着用して湯舟に入ることができるとしていると認識をしております。そして、平成三十年六月には、厚労省医薬・生活衛生局生活衛生課より、各都道府県、政令市などの担当課に公衆浴場における入浴着を着用した入浴等への理解の促進についてとの文書が発出をされております。しかし、残念ながら、こうしたことを周知を行っている自治体は非常にまだ限られているのが現状であります。ある県が調べたところ、県内約六百か所の入浴施設のうち、この入浴着利用を可能とした回答は一割にも満たなかったという調査報道もございました。
そこでまず、厚労省には、平成二十三年、私が今指摘しましたこのバスタイムカバー、入浴肌着の公共性が認められ、温泉や銭湯など公衆浴場を利用する際にはこれを着用して湯舟に入ることができるということの確認をさせていただくとともに、現在どのような取組をこのアピアランスケアについてされようとしているのか、御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(佐々木昌弘君) 二点お答えいたします。
まず、平成二十三年の通知、私ども、その後、平成三十年にも通知を出しておるところでございまして、委員御指摘のとおり、入れるものと解しております。
次に、厚労省の取組についてです。
厚生労働省では、がん治療に伴う外見の変化はがん患者の生活の質に影響を及ぼすことから、外見の変化に起因するがん患者の苦痛を軽減するアピアランスケアの支援は重要であると考えております。その理解の促進のため、自治体や入浴施設に向けて、バスタイムカバー等の入浴着の着用について、周知徹底の依頼や、厚生労働省、私どものホームページにも掲載するなどの取組を行っております。
今後でございますが、バスタイムカバーを用いた入浴について、より理解が浸透していくよう、厚生労働省として、自治体ですとか、また入浴施設への周知に努めるとともに、公衆浴場の組合等の関係者に対して積極的な情報発信を行っていただくよう協力依頼を行ってまいりたいと考えております。
○西田実仁君 このバスタイムカバーにとどまらず、いわゆるアピアランスケアについても是非各自治体の取組を応援していっていただきたいというふうに思います。
総務省にお聞きしたいのは、今厚労省から御指摘あった平成三十年の文書の中には、例えば、この都道府県、あるいは政令市、特別区等において、事業者等への周知、これを徹底してもらいたいという、この周知の徹底がどのようになされているのかということ、そして、これにはやはり消費者の方の理解も必要であるという文書になっておりまして、都道府県等のホームページで情報提供を図ってもらいたい、またさらには、その管内の入浴施設等の事業者に対しては積極的な情報発信を行うよう依頼してもらいたいという協力依頼事項が二つほど挙げられておりますけれども、その取組、フォロー等はどうなっているのか、総務省にお聞きしたいと思います。
○政府参考人(大村慎一君) お答えいたします。
総務省では、乳がん患者の方が専用の入浴着、バスタイムカバーを利用して気兼ねなく温泉に入ることができるよう、観光地の拡大に向けた、そういった観光地の拡大に向けた民間団体の取組について、御指摘のとおり、厚生労働省、観光庁とともに自治体に対して周知を行っているところでございます。実際、温泉地の大分県や群馬県など、ホームページでPRをされている自治体も出てきているところでございます。
こうした動きを踏まえて、今後とも、高齢者、障害者や乳幼児を抱える家族など、誰もが旅行、観光を楽しむことができるユニバーサルデザインによる町づくりを進めるため、関係省庁と連携して取り組んでまいりたいと考えております。
○西田実仁君 今、取組のお話ありましたけれども、実際には一割にも満たないような状況だということについてはどのように認識しているんでしょうか。
○政府参考人(大村慎一君) ありがとうございます。
私ども、平成二十三年以降、こういった形で観光庁さん、また厚生労働省さんと連携して取り組んでおりますけれども、御指摘のように、まだこういった自治体における周知というものが一部にとどまっているということでございますので、今後とも、更に自治体と連携して、私どものネットワーク、また観光庁、厚生労働省さんのネットワークも活用して更に取り組んでいきたいと考えております。
○西田実仁君 具体的にどのぐらいがまだ周知されていない、ホームページに掲載されていないという調査なんでしょうか。
○政府参考人(大村慎一君) まだ、私どもとして、全国の自治体においてどの程度の割合で対応しているかということについて、かちっとした調査をしてまいりません、しておりませんので、この辺はまたそういった関係省庁と連携して更に取り組んでまいりたいと思っております。
○西田実仁君 調査するということでよろしいでしょうか。
○政府参考人(大村慎一君) その点は連携して調査をさせていただきたいと思っております。
○西田実仁君 次に、自治体の清掃工場におけるリチウム蓄電池等による火災被害についてお聞きしたいと思います。
全国各地で発生しております自治体の清掃工場での火事、その原因の多くがリチウムイオン電池などの小型式電子電池と言われております。令和二年度の発生件数が約一万三千件。私の地元におきましても、ある市において火災が発生し、その修復に五億円が掛かり、五か月も時間を要するというケースがございました。大変に現金もなく困っているということで御相談もあり、様々な総務省からも応援をいただいたわけでございますけれども、こうした自治体がどんどん増えていくんでは、まあ増えているんではないかと思いますが、環境省に、リチウム蓄電池等による火災の発災状況についてまずお聞きしたいと思います。
○政府参考人(前佛和秀君) お答えいたします。
環境省では、全国の廃棄物処理施設等におけるリチウム蓄電池等に起因した火災の令和二年度の発生状況について市区町村を対象に調査を実施したところであり、その結果、今議員からお話ありましたとおり、火災の発生件数は一万二千七百六十五件でございました。このうち、出火し、消防隊により消火された件数は八十四件でございました。
○西田実仁君 この対策は、環境省がリチウムイオン電池の現状ということで調査もされておられますが、もう時間も限られていますので、経産省、環境省、総務省にそれぞれお聞きしたいと思います。
この環境省の報告によれば、リサイクル蓄電池のライフサイクル全体での対策が重要ということでございます。したがって、それぞれ、環境省、経産省、総務省に今後の対応をお聞きしたいと思います。
○政府参考人(前佛和秀君) お答えいたします。
リチウム蓄電池は、破砕等により発火に至る危険性があることから、廃棄時に自治体が定める分別区分に従って適切に廃棄されることが重要というふうに認識しております。
そのため、環境省におきましては、令和三年度にモデル事業を四つの自治体等において実施したところでございます。具体的には、リチウム蓄電池等を含む製品を有害ごみという区分に含める等の区分、分別区分の見直しや市民向けの広報等を行っており、火災の発生防止に一定の効果が見られたなどの報告を受けているところでございます。
環境省といたしましては、この成果や先進事例を基に自治体向けの対策集を策定し、今年度、周知を図ったところであり、また、自治体からの問合せ等にも対応できる体制を整備しているというところでございます。
一方で、市民が適切な分別区分と廃棄を行うことができるよう、リチウム蓄電池を取り出しやすい製品設計や分かりやすい表示など、ライフサイクル全体での対策が重要と認識しているところでございます。引き続き、関係省庁と連携して取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○政府参考人(木原晋一君) お答えします。
御指摘のとおり、自治体の清掃工場におけるリチウムイオン蓄電池の火災被害に対しては、ライフサイクル全体での対策が重要と認識しております。
経済産業省では、資源有効利用促進法において、製造事業者等による自主回収、解体しやすい製品の設計、識別表示などの取組により、資源の有効利用の観点から、メーカーを始めとする上流側の取組を促進することとしております。
他方、リチウムイオン蓄電池は、その有用性から、リチウムイオン蓄電池を使用した製品が市場に多く流通しておりまして、流通の実態を全て把握することは困難であるため、資源有効利用促進法による対応だけでは問題の解決は難しいと考えております。
したがいまして、関係省庁、関係機関とも連携しながらリチウムイオン蓄電池の発火事故に対応しているところでございますが、関係者と引き続き連携強化するとともに、資源有効利用促進法の運用を通じて引き続き協力してまいりたいと考えております。
○政府参考人(原邦彰君) お答え申し上げます。
今、環境省、経産省から御答弁ありましたとおり、この問題、大変重要な問題と認識しておりまして、関係省庁と連携しながらいろいろと今後とも取組を進めてまいりたいと思います。
それから、仮に処理施設も含む公共施設の火災からの復旧、こういうのがございましたら、これについては地方債、特別交付税で地方財政措置を講じます。
いずれにしても、よく関係省庁と連携しながらしっかりと対応してまいりたいと、このように思っております。
○西田実仁君 終わります。