183-参-憲法審査会-001号 2013年03月13日
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
今、この憲法審査会におきまして二院制をテーマに議論するその背景には、いわゆる、ただいまお話がございましたが、決められない政治ということを理由に首相公選制あるいは一院制ということが提唱される中、二院制の意義と役割について議論を深める必要があるからだろうというふうに私自身は思っております。
この決められない政治、いわゆる決められない政治というのは、国会及び内閣における意思決定が適切に行われていないということを指すのではないかと思われます。したがって、問題意識といたしましては、内閣と国会で適切な意思決定ができるようにすることと二院制がどのように関係するのかという設定が必要ではないかと思っております。
私自身の個人的な意見も含めまして発言をさせていただきたいと思います。
まず、議院内閣制度の下におきまして、いわゆる官僚の支配ではない内閣の意思決定を図るためには、内閣の機能強化を図らなければならないと思います。それには、内閣法第三条第一項に定めるところの、「各大臣は、別に法律の定めるところにより、主任の大臣として、行政事務を分担管理する。」との条文と国家公務員のキャリアシステムによって形作られましたいわゆる省庁割拠主義と言われる省益優先の弊害、これを改めるよう法改正も視野に入れた改革が求められると思われます。そうして初めて、行政各部への指揮監督権等、内閣総理大臣の権限を強化することができると考えられます。
こうした内閣の機能強化と併せまして、国会の行政監視機能を高めることが決められない政治の克服のためには不可欠であります。決められない政治を克服して決められる政治に転換するその目的は、国民主権の徹底がなされることでなければならないと思います。国民主権の徹底には、国民の代表者の集合体である国会の行政監視機能をいかに強化するかに懸かっております。
国会の行政監視機能を高めるには、議院内閣制を取る以上、一院制ではなし得ないと考えます。なぜならば、政権を選ぶ一院、例えば衆議院だけでは第三者的に行政を監視することは難しいからであります。一院制の下で行政をチェックするためには、議院内閣制度ではなく大統領制度を取るべきであると考えます。
国民主権の徹底を図るために国会の行政監視機能を高めるためには、二院制度が欠かせないと考えます。その意味では、例えば衆議院が予算など金目の議論を中心にするのに対して、参議院は組織や人事など行政監視の機能をより重視する役割分担が考えられます。参議院の行政監視機能を強める改革が必要との考えであります。
例えば、そのためには、先ほどの事務方からの調査報告書にもございましたように、総務省の行政評価局を参議院に移設して、行政監視のためのハウスとしての手足をつくることも考えるべきであります。また、衆議院には、米国にある議会予算局のように、ハウスとして独自の将来推計を行う機関の政府からの移設も検討すべきであろうと思います。衆参それぞれの役割を徹底するための手足をつくって、その機能を強化する必要があると考えます。
以上でございます。