190-参-財政金融委員会-004号 2016年03月17日
○西田実仁君 おはようございます。公明党の西田実仁でございます。本日は最初に質問させていただきたいと思います。
大きくまず、軽減税率制度の詳細につきましてお聞きしたいと思います。
先日の予算委員会で、私、質問をさせていただきましたけれども、この軽減税率制度が成立をした暁には、これを円滑に導入をしていくということが何よりも大事になってまいります。そのために、中小・小規模事業者向けに、軽減税率対応のレジの導入とか、受発注の電算システムの改修や入替え等に対する補助と支援ということを行うということになっているわけであります。
まず、財務大臣にお聞きしたいと思いますが、この軽減税率対応の補助金の目的ですね。補正予算は既に成立をしました。また、今年度の予備費においても手当てされるということのようでありますけれども、この目的をまず確認をさせていただきたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 軽減税率制度の導入、運用に当たって混乱が生じないように万全の準備を進めるために、政府部内に必要な体制を整備をさせていただくとともに、軽減税率制度の導入に向けた事業者の準備の状況等々を検証しつつ必要な対応を行うことといたしております。
こうした一環として、軽減税率制度導入まで一年余りという中で、中小の小売事業者が複数税率に対応するために必要な一台当たり約数万円から数十万円程度のレジの導入や、より高額となりますPOSとか、POSとまではいきませんけれども、システムの改修などを緊急に支援をさせていただくために、二十七年度の予備費において九百九十六億円を手当てをしたところであります。
こうした支援策を着実に実施することによりまして、平成二十九年四月の軽減税率制度導入に向け、事業者への対応というものをしっかり行ってまいりたいと考えております。
○西田実仁君 まさにその根本目的は軽減税率の円滑な導入に向けての支援ということに今確認させていただきました。
そこで、中小企業庁、今日、長官にお見えいただいておりますけれども、この軽減税率対策の補助金の概要が先般公表されております。もちろん、この補助金は税法が成立をしなければ適用されませんけれども、しかし、早めの補助詳細の周知によりまして実質的に募集開始と同様の効果ももたらすのではないかということが期待されております。
そこで、長官に、この補助金の概要につきまして概略を説明いただきたいと思います。
○政府参考人(豊永厚志君) 大臣の御説明と少し重複するところがあるかと思いますが、お尋ねの補助金の概要といたしましては、中小の小売事業者等に対して複数税率に対応したレジの導入を補助するとともに、複数税率への対応ができない電子的な受発注システムを用いている中小の小売事業者、卸売事業者に対してシステム改修の補助を行うものでございます。補助率につきましては、レジ、受発注システム共に原則として三分の二といたしております。ただし、三万円未満のレジの購入に関しましては、規模の小さな事業者への特段の配慮の観点から、補助率を四分の三といたしております。
また、中小企業・小規模事業者が補助金申請を円滑に行えますよう、手続負担にも配慮した制度設計を進めてございます。例えば、募集期間を限定せずに随時申請を受け付ける、また申請書類の枚数を最小限にする、さらにレジメーカーに補助金申請事務のサポートやレジ操作の指導を行わせるといったことを検討してございます。
○西田実仁君 この円滑な導入ということにつきましては、効果的なタイミングかつ効果的な経路で情報提供を行うことが重要であろうと思います。
効果的な経路ということにつきましては、今回の軽減税率の導入はとりわけ中小・小規模事業者への周知徹底が円滑な制度の実現の鍵になるということから、いわゆる中小企業団体はもちろんでありますけれども、ベンダー等の経路も活用していくべきではないかというふうに私は思っております。この辺、どのようにお考えでありましょうか。
○政府参考人(豊永厚志君) お答え申し上げます。
中小事業者によるレジの導入や電子的受発注システムの改修を進めるに当たりましては、古いレジやシステムの存在状況を知るレジメーカーやITベンダーを通じて中小企業者に制度を周知し、必要な対応を促すことが極めて有効と考えてございます。
このため、経済産業省といたしましては、軽減税率制度の詳細や必要となる対応作業、またその支援策の内容とともに、事業者への周知の重要性につきましてITベンダーの主要団体等に周知を図るなど、連携を密にしているところでございます。既に、今月の初めには九つのITベンダーの関係団体を招きまして連絡会を開催したところでもございます。
こうした供給サイドからのアプローチを含め、あらゆる経路からの周知に努めることで、中小企業者に対応の必要性について理解を得るとともに、実際の対応を促し、準備作業が円滑に進むよう取り計らいたいと考えてございます。
○西田実仁君 支援対象のレジの範囲についてですけれども、軽減税率に対応して売上げの区分経理や区分記載請求書等の発行を行う必要がある中小小売事業者等としておられると思います。
しかし、この場合、免税事業者であったとしても、事業者から区分記載請求書等の発行を求められる可能性のある者については支援の対象とすべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(豊永厚志君) お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、自らは免税事業者であっても、事業者間取引において課税事業者などから税率を区分して記載した請求書等の発行を求められる可能性があると認識してございます。このため、軽減税率制度の導入に当たり、現場での混乱が生じないよう、消費税納税の有無にかかわらず、すなわち免税事業者であっても軽減税率制度の対応が必要となる中小企業・小規模事業者については補助対象とする考えでございます。
○西田実仁君 免税事業者も対象になるというお話でございました。
そこで、次はこの受発注システムの改修並びに入替え支援についてお聞きしたいと思います。
さきの予算委員会でも同様の質問をさせていただきまして、どこまでその支援対象にするのかという範囲については、余り狭過ぎても意味がないし、広過ぎると際限がなくなってしまうと。じゃ、どの辺まで支援対象にするのかということであります。その際の答弁は、取引先との受発注に必要な部分については支援の対象にするということであります。
具体的にお聞きしたいと思いますけれども、電子受発注システム、すなわちEDIでありますけれども、発注、そして出荷、受領、請求、そして支払と、こういう流れがあるわけでありますけれども、この支払のところはいわゆる財務会計でございますけれども、それ以外のところ、すなわち発注、出荷、受領、請求、ここまでのところは実は一体でパッケージソフトになっているケースが大変に多いわけでありまして、これを割合等で無理やり切り分けていくということは現実的では、余り実務的ではないんではないかというふうに思います。
具体的に、受注側の卸等については受注管理や出荷管理、あるいは在庫管理、売上管理、請求管理まではほぼ一体でこのソフトというのは組まれているわけでありますので、これを余り狭く受発注というところに切り分けて、そこのみが支援というふうな対象にいたしますと、かえって混乱が起きるんではないかというふうに思います。
同時に、今回、この目的はもちろん円滑な導入の支援ということでありますけれども、今回、この補助金の仕組みを活用しながら、中小企業のクラウドパッケージ化への移行促進ということも期待できるんではないかというふうに思っております。このクラウドパッケージ化の促進ということは、すなわち中小・小規模事業者の、特にサービス業等の生産性向上という今政府挙げて取り組んでいる政策目的にもなり得るということでありまして、軽減税率対応の補助、補助金というものがそうした呼び水になり得るんではないかというふうに思っております。
そこで、特に受発注システムへの支援ということでありますけれども、余り受発注システムというところを狭義に捉え過ぎずに、一体としてパッケージ化されているものについてはそれも支援をしていくというふうにしていかないと使い勝手が悪くなってしまうと、このような声も現場から上がってきておりまして、ここを長官に確認をしておきたいと思います。
○政府参考人(豊永厚志君) お答え申し上げます。
使い勝手の良い制度としたいという気持ちは私どもも共通でございます。こうした観点から、複数税率に対応するために必要となりますEDIにつきましては、経理や在庫管理などと一体的に改修、入替えがなされることが実際にも想定されております。こうした場合でも、極力取引先との受発注に必要な部分についてはそこの部分を切り出し、そこの部分については支援の対象とするという方針でございます。
また、御言及のございました複数の機能が一緒になったパッケージソフトでございますけれども、これを利用する場合につきましても、EDIの機能を含むものであれば、その範囲で支援対象としたいと考えてございます。また、さらに、クラウド型のサービスについての御言及がございましたけれども、これを利用する場合につきましても、何らかの形で支援の対象とできないかということで考えてございますが、例えばサービスを導入するために必要となる初期費用を対象にするといったようなことを考えているところでございます。
いずれにしましても、委員御指摘の使い勝手の良い補助金にすべきとの観点に立って、今後とも制度の詳細設計を行ってまいりたいと考えてございます。
○西田実仁君 是非、無理繰り切り分けて、パッケージになっているものを割合等で支援の対象にするというややこしいことにしないようにしていただきたいというように思います。当然、支援の上限はありますので、できる限り柔軟な運用で中小・小規模事業者の方々の支援を積極的に行うと。何のためにそもそもこの支援をするのかという根本目的を忘れることなくお願いしたいというように思います。
次に、この軽減税率制度への対応として大事な点でありますけれども、一昨年、私どもは韓国に参りまして、複数税率がもう既に四十年近く前に導入されている韓国の実態調査を行いました。
その際、当時一九七〇年代でありまして、パソコン等は当然まだなかったわけでありますけれども、手書きの請求書等において、それを複数税率に対応していくには大変な苦労があったという話も聞きました。その中で、特に、様々な対消費者、あるいはBツーBもそうですけれども、問合せ等にいかに対応を迅速にしていくのかという徴税当局の体制整備ということについても現地で随分言及がございました。日本におきましても、いよいよ来年四月からこの税法が成立をいたしますと導入ということになりますので、課税の適正化を図るためにも税務執行体制の整備というものが何よりも重要になってくると思います。
そこで、国税庁の機構措置並びに定員やあるいは職務の困難性、特殊性を適正に評価した給与水準の確保を始めといたしまして、その職場環境の整備をどう整えていくのか、また事前照会に対する文書回答手続では機動的な対応が困難な場合、消費者あるいは納税者からの問合せにどのように対応していくのかをお聞きしたいと思います。
財務大臣にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 税務行政というものを取り巻く環境というものを考えてみますと、昨今、経済取引というものが国際化してみたりIT化してみたり、いろいろな意味で厳しさが増しておりますので、その中で軽減税率制度という新たな制度というものを入れてみましたり、また国際でいきますと、例のBEPSというもののいわゆる国際課題というものに対しても的確に対応することが我々にとりましては大きな課題であります。
こうした状況の下で、今後とも適正、公平な課税というものをきちんと徴収を実現していくためには、効率化を図りつつも、これは、必要な定員、機構というものを確保して税執行体制の整備を図ることは極めて重要と考えております。また、税務の困難性、特殊性というものを踏まえました場合は、適正な処遇の確保とか、また活力を持って働ける風通しのいい職場環境の整備も重要であろうと考えております。
なお、この消費税率導入に関するお問い合わせ等々も新たな事業として、仕事として増えてまいろうと思いますので、国税庁におきましては、御質問があったような文書回答を求められた場合に適切に対応するほか、関係省庁とも連絡をさせていただいて、税務署におけます消費税専用窓口の相談体制の拡充とか、また電話相談を集中的に処理をするコールセンターを設置するなどなど、いろんな取組を通じた対応をしっかり対応してまいりたいと考えております。
○西田実仁君 消費税の価格表示についてお聞きしたいと思います。
食品スーパーなどから総額表示の義務化をやめるべきとの声は多数上がっていることは、私も現場を回っていてよくお聞きします。現在、平成三十年九月三十日まで消費税の本体価格表示が認められ、本体価格表示又は本体価格と税込み価格の併記となっておりまして、特段今お客様との間でトラブルが生じるとは聞いておりません。しかし、この消費税転嫁対策特別措置法の期限が切れますと、自動的に総額表示が再び義務付けられることになります。
既に衆議院等でもこうした議論はなされておりますが、この総額表示に関する特例ですね、税抜き表示も認められるこの特例あるいは端数計算に関する特例、これは積み上げ計算特例を採用している企業も多いわけでありますけれども、いずれもこの二つ、両者は時限ないしは当面の間というふうに経過措置になっております。この経過措置が終わりますと、その時点でまたシステム改修とかあるいは事務変更が必要になってくると。
こういうことから、消費税関連の各種経過措置につきましては、軽減税率導入のスケジュールと少なくとも平仄を合わせていただけないかという御要望も来ております。具体的には、インボイスが導入されます平成三十三年の四月からというふうになって現在はおりますけれども、その前までこれを、経過措置を延長して同時にという形にしてもらえないかという要望もありますけれども、この点どうお考えか、副大臣にお聞きしたいと思います。
○副大臣(岡田直樹君) 西田先生御指摘の総額表示義務の特例から申し上げますと、事業者と消費者の間の取引において、消費税法においては、消費者が支払うべき金額、総額が分かりますように、棚札などに商品の価格を表示する場合には税込み価格で表示しなければならないということになっているわけでありますが、一方では、消費税率が引き上げられる中で、値札の貼り替え等によって事業者の負担が過大なものとならないように、御指摘の消費税転嫁対策特別措置法において、特例として、平成三十年九月までの間、税込み価格であると誤認されないための措置、つまり、税抜き価格である、あるいは税別と書いてみたり、あるいは本体価格と書くような措置をしている場合に限っては、税込み価格を表示しなくてもよいということを特例としております。
消費税の総額表示義務というものは、消費者の利便性にも配慮をして、また消費税額を含めた支払総額が一目で分かるようにするための制度でございまして、こうした総額表示義務の趣旨を踏まえれば、時限立法であります転嫁対策特別措置法の期限到来後は、基本的には事業者に総額の表示を求めることが適当であると考えてございますが、転嫁対策特別措置法の趣旨にも鑑み、また、ただいまの西田先生の御指摘も踏まえて、事業者の価格転嫁の状況等も踏まえて検討を行っていく必要があると、このように考えております。
それから、端数とか積み上げ計算の御質問でございますけれども、課税標準額に対する消費税額の計算に関する経過措置ということでございまして、原則、売上税額の計算は一年間の税込みの売上総額を税率で割り戻して計算することとなっておりますけれども、この経過措置によりまして、小売事業者等の実務を勘案し、レシート等に記載をされた消費税額を積み上げて計算することも例外的に認められておるということでございます。
省令で当分の間というふうに書かれてございますけれども、今後の取扱いについては、インボイス制度が導入されましたら、これは売上総額からの割戻し計算と、ただいまの税額の積み上げ計算のいずれかの方式で税額計算を行うこととなりますので、言わば先生が御指摘になっている経過措置が原則的な取扱いということになるわけでございまして、そして、その間、インボイス導入までの間はこの経過措置を存置、存続させていく方針でございます。
○西田実仁君 時間の都合でちょっと飛ばしますけれども、税務行政につきまして、特にICT化への対応ということでお聞きしたいと思います。
法人が行う電子申告については、国税、地方税、同時に行っております。ところが、地方税は電子申告を受付しているのに、国税の電子申告の受付がなされないという場合があります。これは、やはり財務省と総務省が調整をして、国税のe—Taxと地方税のeLTAXの受付時間、この共通化を図ってほしいという実務家からの声もございます。
この点についてどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。
e—TaxとeLTAXの受付時間に関してでございますが、e—Taxの受付時間、これは、所得税の確定申告書の提出時期につきましては、土日も含めて二十四時間受け付けるということで大変手厚い措置をとっているわけでございますけれども、他方、先生御指摘のとおり、eLTAXに比べまして、例えば五月、八月、十一月の最後の土日、これはeLTAXは受け付けておりますけれどもe—Taxは受け付けていないといったような違いがございます。
こういった違いにつきまして、納税者利便を図るためになるべく統一的な取扱いをしていく必要があるのではないかという御趣旨の御質問かと思いますけれども、こういった納税者の利便性向上策につきましては、御指摘のe—Taxの受付時間も含めまして、今後の予算措置等々も含めて、引き続き検討を続けていきたいと考えております。
○西田実仁君 地方税の納付書におきましては、PCを使ってプリンターで印刷した納付書が使えます。また、ネットにアップしてある納付書を利用して自分で作成することも可能です。しかし、一方、国税の方は複写の納付書しか利用できない、各税務署で配付をしている納付書しか利用できないという違いがございます。国税でも地方税と同様に納付書をPCで印刷できるようにしていくべきではないかと思いますけれども、いかがでありましょうか。
○政府参考人(星野次彦君) お答えいたします。
国税の納付書につきましては、金融機関の窓口納付で使用された場合に、国税当局と日本銀行の双方における収納事務を効率的に行うために、日本銀行において納付書の内容を読み取り、データ化をしております。このため、国税の納付書につきましては、機械による読み取り処理が正確に行われるよう、日本銀行の規格に合った色、用紙の厚さ、紙質のものを使用することとしておりまして、パソコンで作成した納付書を使用することは困難であるということを御理解いただきたいと思います。
他方で、国税庁としましては、納税者の利便性向上を図る観点から、紙の納付書を必要としない納付手続であります電子納税を導入しておりまして、その普及拡大に努めているところでございます。
○西田実仁君 現在、法人税の電子申告時には決算書などの財務諸表をPDF方式で電子送信することはできませんが、この四月一日以降は、電子申告時にPDF形式で送信することのできる添付書面が拡充をされるというふうに聞いております。しかし、この電子データによる提出が可能な添付書類には、財務諸表というか決算書は含まれていないということでございます。
この四月一日以降、いわゆるCSV形式であれば電子添付することは可能ですけれども、財務諸表をPDF添付することができないのは大変不便であるという声もございます。納税者の利便性の向上という点でも、法人税の電子申告の際、決算書をPDF形式で電子送信できるようにした方がよろしいのではないかと思いますけれども、この点、どうでしょうか。
○政府参考人(星野次彦君) 税務行政のICT化の推進につきましては、納税者利便の向上、また行政事務の効率化の観点から、国税庁としても積極的に取り組むべき事項と考えております。
こうした観点から、今般、平成二十八年四月一日以降、財務諸表データにつきまして、CSV形式のものにつきまして、e—Taxで送信可能なデータ形式に変換するプログラムを提供することによりまして電子送信を可能とするということにいたしております。あわせて、申告書等の一定の添付書類につきまして、PDF形式による電子送信を可能とする予定でございます。
財務諸表もPDF形式で電子送信できるようにすべきという御指摘でございますけれども、納税者におきましては、財務諸表データを電子データで作成をしておりまして、電子送信する方が納税者にとっても便利であるということ、それから、財務諸表をPDF形式に直して送るということになりますと、PDFデータの容量が非常に大きくなりまして、国税庁での保管コストも含めまして、それに伴う予算措置が必要となることなどの点も勘案する必要があると考えております。
いずれにいたしましても、御指摘の点につきましては、納税者のニーズや予算措置の問題、さらには情報技術の進展など、様々な観点から検討してまいりたいと考えております。
○西田実仁君 御検討をよろしくお願いしたいと思います。
最後にもう一度、時間が二、三分ありますので、軽減税率の問題ですが、レシートや領収書等が適格請求書として認められるためには、取引内容や年月日、税率区分等、九項目の記載事項を全て満たす必要があると。しかし、実務の観点からして、一般の商取引で発行されるレシート等全てにこの要件を課すことは厳し過ぎるのではないかという声があります。
本来のインボイス、適格請求書に代わって、取引年月日や金額、内容等を記した簡易インボイスのような書類でも仕入れ税額控除を受けることができるよう規定を設けてはどうかという御提案ございますが、この点、いかがでございましょうか。
○政府参考人(佐藤慎一君) お答え申し上げます。
原則といたしまして、インボイスを適格請求書ということでそれが発行され、それを保存することが仕入れ税額控除の控除要件ということでございますけれども、業態によりまして、例えば小売業などについて、不特定かつ多数の者に商品の販売を行うというような事業者の場合には、取引の都度相手方の氏名を書くとかというのはなかなか容易ではないという実態もございますので、今先生のお話にありましたような簡易インボイスということで、適格簡易請求書というものを認めまして、その保存によりまして仕入れ税額控除ができるというふうにする制度と考えてございます。
内容といたしまして、適格請求書の記載事項は幾つかございますけれども、その中で特に相手の、交付を受ける事業者の氏名、名称、それを省略することができる。それから、消費税額を書くことになってございますけれども、それに関連しまして、適用税率又は消費税額のいずれかの記載で足りるというふうな形で簡易なインボイスというものを念頭に置いているところでございます。
○西田実仁君 終わります。